授業中、ふと隣の席を見た。


僕の右隣でいつも退屈そうな顔をしている、卓海という生徒。

いつもは寝ているのに、今日は頬杖をついて、珍しく起きている。


「……ガリ勉」


僕がぼそっと呟くと、卓海はいつものように睨みを利かせた。

普段から切れ長の鋭い目をしているから、睨まれるとさらに怖く見える。

日焼けした茶色の髪も、一層彼の表情を強く見せていた。