「何だ、知らねぇのか。
皇子さまのくせに、仲間においておかれた、マヌケなはぐれ者か?
せっかくの身分も、たった一人じゃ意味ねぇな」
「だまれ!」
「何にも知らないお嬢さまに、アクションかけるのに、寝込みを襲う夜這いは悪かったぜ。
今度は、手順をふんでやる。……交換日記からか?」
「ふざけるな……!」
これは、男の挑発だ、と頭の隅では判っていたけれど、自制がきかなかった。
今度は、僕の方から男につかみかかろうと、間合いをつめる。
その時。
運の悪い事に、今までの物音を聞いた人間が、顔を出した。
養護教諭だ。
男は、頭に血が上って直線的になった僕の攻撃をかわすと、何事かと覗いた女の腕をぐいと取った。
「き……」
悲鳴をあげかけた女の口をふさぎ、鼻を鳴らす。
皇子さまのくせに、仲間においておかれた、マヌケなはぐれ者か?
せっかくの身分も、たった一人じゃ意味ねぇな」
「だまれ!」
「何にも知らないお嬢さまに、アクションかけるのに、寝込みを襲う夜這いは悪かったぜ。
今度は、手順をふんでやる。……交換日記からか?」
「ふざけるな……!」
これは、男の挑発だ、と頭の隅では判っていたけれど、自制がきかなかった。
今度は、僕の方から男につかみかかろうと、間合いをつめる。
その時。
運の悪い事に、今までの物音を聞いた人間が、顔を出した。
養護教諭だ。
男は、頭に血が上って直線的になった僕の攻撃をかわすと、何事かと覗いた女の腕をぐいと取った。
「き……」
悲鳴をあげかけた女の口をふさぎ、鼻を鳴らす。



