Holy×Kiss~闇の皇子より愛を込めて~【吸血鬼伝説】

 一般家屋より、だいぶ高い天井をかすめて、男は、ベッドにもんどりうつ。

 派手に。


 ぎぎぎゅ めき


 男の重さと衝撃に耐えかねたベッドの足が、二本、ひしゃげた。

 重い。

 軽く見積もっても、250キロは超えている。

 ……この重さでは、飛べない。

 仮に、コイツが吸血鬼でも、翼を出して飛ぶには重すぎた。

 男は、即席に出来た短い滑り台を滑るように、ベッドから床に着地した。

「かわいい顔して、オレをカルく投げるたぁ、な。油断してたぜ」

 ぐき ぐきと首を鳴らして、男が立ち上がる。