次の日。

 学校にやって来て僕は、驚いた。

 保健室は、人であふれかえっていたからだ。

 しかも、みんな、女子ばかり。

 ……ここは、女子高だったのか……?

 違う。


 思わず、一人で突っこんで、保健室の扉を明けたとたん。




 きゃああああ~☆


 黄色い歓声に迎えられて、僕は、思わず一歩引いた。

「な……何事だ? 一体」

「……全員、カウンセリング希望だと。
 平たく言えば、あんた目当てだ」

 うんざりしたような声は、青ジャージ。

「松嶋……先生」


「話しあいでも、カウンセリングでも、さっさと終わらせて、早く生徒達を戻せ。
 これじゃ、授業にならん……!」

 松嶋は、口をへの字に曲げて、やっこ凧みたいな顔をした。

「こんな、貧血を起こす優男のドコが良いんだか……」

 松嶋先生が、口の中でもごもごと言ったセリフを、僕は、聞きのがさなかった。

「……もしかして、自分はモテないからって、やっかんでる?」

「そんなことはない!」

 ……図星だったらしい。