朝。

 初夏の日差しが、容赦なく僕に向かって照りつけていた。

 暑い、というより痛い。

 人間の間で囁かれる吸血鬼の伝説のように、陽にあたると灰になる事はない。

 が。

 光の矢は、僕に向かって、確実にダメージを与えていた。

 ……こいつの話は、めったに死なない吸血鬼を殺せる。

 そう思えるほど、ヤツの話は長かった。

 ……東星学園の校長ってヤツの話は。

 数日前。

 学園の体育倉庫で、この学校の生徒がばらばら死体で見つかった。

 それから、休校になり、今日が最初の登校日だった。

 犯人も見つかってないから、心配なのはわかるけれど、長すぎだ。

 おばさん、と言うには抵抗のある女の校長だと思ったが、話し好きは、年齢を重ねた女性の特徴だ。