「でも……」

 煮え切らない彼女の腕を掴んで、もう一人が、高々と結った、ボニー・テールを揺らす。

「ヒナの悩み事だったら、あたしが聞いてあげる。
 最近、ワケわかんない殺人事件も増えているし、知らない人に相談なんて、危なすぎるよ!
 いきなり、ざくっとやられたら、どうするの!
 ストーカーされるかもしれないし!」

「ストーカーは、無いな。絶対に」

 僕が危険だって?

 まあ半分、当たって無くもない。

 それにしても。

 ボニー・テールのあまりにひどい言いぐさに、僕は、苦笑して声をかけた。