「ねぇ……本当に、止めておけば?」

「……でも…」

 待ち合わせ場所の喫茶店に入ると、囁き声が耳に飛び込んで来た。

 店の隅には、少女が二人いた。

 年の頃は、14、5才から20才前。

 制服は着てなくても、如何にも学生らしい少女達が座っている。

 というか、一人がもう一人の腕を引っ張って、店の外に出そうとしているようだった。

 他に客は無く、人よりだいぶ耳の良い僕には、彼女達の声が、丸聞こえだった。

「待ち合わせの人は、自殺サイトの管理者なんでしょう?
 ヤバいって。
 危ないって。
 来る前に帰ろうよ~~」