人間ではない。

 ……千里でもない!

 殺気か……それに近い危険な感じがする。

 僕は、足取りをそのままに保ちながら、視線の主を探した。

 後ろ……上か!


 がんっ!


 注意が、完全に斜め後ろに行ったとたん。

 僕は、目の前の電柱にぶつかった。


 ……痛い!


 目……目から星が飛んでゆくのが見える。

 不覚にも、涙が滲む。