その光景を、横で眺めながら、僕は、そっとため息をついた。
「大事なものだったら、ちゃんと自分で持ってなくちゃ、だめだ」
僕に言われて、残月は、はっとしたように凛花を放した。
「……偽りの好意です。皇子。
例え、私が凛花に……何某かの感情を持っていたとしても……
……この女は私の『魅了』に犯されている他ならない。
本当は、この女の中に、私はいないのだから」
「残月……何で……そんな事を言うの……?」
このままだったら、残月は、この騒ぎが終わり次第、凛花を断ち切り消えるだろう。
そうだとしたら。
もしかしたら、いつか、僕にもチャンスが来るかもしれない。
そう、ちらりと考えて、首を振る。
凛花が、泣く。
駄目だ。僕は、もう、凛花を泣かさないと決めたのだ。
「違う。そんなものじゃない。
凛花は、本当に残月の事を思っているよ」
「大事なものだったら、ちゃんと自分で持ってなくちゃ、だめだ」
僕に言われて、残月は、はっとしたように凛花を放した。
「……偽りの好意です。皇子。
例え、私が凛花に……何某かの感情を持っていたとしても……
……この女は私の『魅了』に犯されている他ならない。
本当は、この女の中に、私はいないのだから」
「残月……何で……そんな事を言うの……?」
このままだったら、残月は、この騒ぎが終わり次第、凛花を断ち切り消えるだろう。
そうだとしたら。
もしかしたら、いつか、僕にもチャンスが来るかもしれない。
そう、ちらりと考えて、首を振る。
凛花が、泣く。
駄目だ。僕は、もう、凛花を泣かさないと決めたのだ。
「違う。そんなものじゃない。
凛花は、本当に残月の事を思っているよ」



