残月の血のおかげで、体力がある程度戻り、僕は不可視を使うことが出来た。
誰の注意を引かないままに、東星学園高等部の屋上に凛花と二人して、ひっそりと舞い降りる。
五階建ての校舎の屋上は、奇妙に静かなのに、校庭はどこもかしこも騒乱の渦に巻き込まれていた。
「残月!」
屋上に着くとすぐ。
凛花は、フェンスにはりついた。
地上では、警察や、マスコミ達がライトで、辺りを煌々と照らしていた。
だから、夜明け前の一日で一番暗い時間帯にもかかわらず、校庭の様子が、見える事は見えるのだが。
残月の姿を見つけるのは、簡単な作業ではなかった。
人が。
土山の化け物が。
眼下であちこち動きまわり、入り乱れて、少しもじっとしていなかったのだ。
凛花が、一生懸命、残月を見つけようと、目をこらしている横で、僕は視覚に頼る事を、さっさと止めた。
残月の太陽と草原の匂いから、気配を探ろうとしたのだ。
そしておかしなことに気がついて、自然と眉が寄る。
誰の注意を引かないままに、東星学園高等部の屋上に凛花と二人して、ひっそりと舞い降りる。
五階建ての校舎の屋上は、奇妙に静かなのに、校庭はどこもかしこも騒乱の渦に巻き込まれていた。
「残月!」
屋上に着くとすぐ。
凛花は、フェンスにはりついた。
地上では、警察や、マスコミ達がライトで、辺りを煌々と照らしていた。
だから、夜明け前の一日で一番暗い時間帯にもかかわらず、校庭の様子が、見える事は見えるのだが。
残月の姿を見つけるのは、簡単な作業ではなかった。
人が。
土山の化け物が。
眼下であちこち動きまわり、入り乱れて、少しもじっとしていなかったのだ。
凛花が、一生懸命、残月を見つけようと、目をこらしている横で、僕は視覚に頼る事を、さっさと止めた。
残月の太陽と草原の匂いから、気配を探ろうとしたのだ。
そしておかしなことに気がついて、自然と眉が寄る。



