Holy×Kiss~闇の皇子より愛を込めて~【吸血鬼伝説】

 爪が、翼が、髪が。

 そして、多分瞳が………変わってしまう……!

 く……そ……!

 僕は、カーテンを頭からかぶってうつ伏せに身体を丸めた。

「鈴木先生?」

 凛花の心配そうな声に、歯を食いしばって何とか答える。




「……大丈夫だ」





 ……全然大丈夫なんかじゃなかった。




 ……人になれ……




 先ほどは、たやすく叶った願いが、今は効かない。

 それどころか、人とは程遠いものに僕を変えてゆく。






 ……人に……






「先生……?」

「来る……な」

 凛花が近づいて来る気配に、僕はずるずると窓際まで下がる。