Holy×Kiss~闇の皇子より愛を込めて~【吸血鬼伝説】

「良かった……!
 扉を開けてください!
 開けられますか?」



「……無理」

 いろんな意味で。

 身体は動かせない上、この、人にあらざる姿のまま、開けられるはずもなく。

 そこまで、考えてふと、自嘲する。

 死んでしまうならば、どんな姿だって、かまわないじゃないか……?

「先生!
 ここは危ないです。早く逃げないと……!」

 凛花は、開かない扉をがたがた動かした。

「どうだ? いたか?」

「あ、松嶋先生!
 鈴木先生は、いたんですが開かなくて!」

 泣きそうな凛花の声を、松嶋らしい声が慰める。

 松嶋もがたがたやってみて扉が開かない事を確認すると、言った。

「そうか、鍵か……!
 大槻。そこにいる刑事さんと一緒に、体育倉庫の鍵を取って来てくれ。
化け物がうろうろしている。気をつけてな」

「でも、それじゃ、松嶋先生が一人に!」

「鈴木先生が、どんな状態か判らない。
例え外でもついていないと。
マズかったら俺も逃げるから、早く行け」