倉庫内で、けっこうな高さがあり、目立ちすぎてはいるが。

 一番上は小さくとも、下段に行くに従って、大きな枠になっている。

 一番下なら、デカい赤髪の男もくぐり抜けられそうだ。

 それが、吸血鬼の輪だとしたら。

 ウチのように、異空間を曲げて、屋敷とワンルームを繋げる、なんて複雑な事をしないでもいい。

 跳び箱の下地面に直接穴を掘ってねぐらを作り、出入り口だけ塞げばいいのだ。

 ……簡単だ。

 僕は、凛花を扉の前で待機させると、気配を消して、跳び箱に近づいた。

 そして、すうっと息を整えると。








 一気に、跳び箱を蹴散らした!