僕の赴任先になった、私立東星学園は、案外広い。

 中等科と高等科があるため、実質的には普通の学校の二校分が同じ敷地内に建っている事になる。

 それぞれの科の校庭と、合同の校庭の計三つが、校庭をすっぽり包む緑色のネットで隔てられ、並んで広がっているのだ。

 校庭と向こう堺には、昼休みに根元で弁当でも広げると良さそうな、木々が生えそろう結構大きな林になっていた。

 学校の裏には、低い山もあり、その向こうが国道と、繁華街になっている。

 普段だったら、日が暮れるまで、生徒達の姿や声がそこかしこに見えるはずなのに、今日は、全くいない。

 そう。

 昨日の保健室の襲撃で、学園は、再び休校になってしまったのだ。