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「ごめんな、疲れただろ?」

「ううん。すごく楽しかった!涼太は良い友達いっぱいだね?」


散々騒いで散々歌って…
気づいたらもう21時を過ぎていた。

キャバクラやホストクラブの客引きの間をすり抜けて、涼太の家へ一緒に帰る。



「あぁ。自慢のダチだから…


それより今日は?」


いつも私が自分の家に帰るのか帰らないのか、こうやって聞いてくれる。

父親と折り合いが悪くてあまり家に帰らない私に何も言わずに傍にいてくれる涼太。



「今日は泊まる。

明日は一回…帰ろうかな?」

「うん。おばさん待ってるんじゃない?とりあえず電話はしとけよ?心配するから。」


母親とは仲は良いかもしれない。
よく話をするし、家に帰らない日もよくメールをする。

お母さんは私が帰らなくても涼太のとこにいれば安心だって何も言わない。

涼太はお母さんのお気に入りになってる。



「今日、ママいる?」

「あー、わかんね。仕事終わってればいる、かも?」


涼太のママはこの街にたった一つあるデパートの店員さん。
朝は比較的早くに出ていくし、夜はちょっと遅いからあんまり話はできないけど…

私の第二のお母さん。

優しくて、悪い事をしたら本気で怒ってくれる。

そんな存在が私は大好き。



「母さんいるかわからんけど…とりあえず帰るか。」

「うん!」


手を繋いで歩く夜道。

自覚もなくて自信もない。


そんな私の自信を少しだけ付けてくれた。


今日は最高の日。