考えた。

どうすれば思いを通わせる事ができるのか。



どうすれば、涼太の力になれるのか…。





ベッドサイドの棚に置いてあった炭酸飲料を手にした。
ペットボトルの蓋に手をかけて力一杯に捻る。

プシュッ…と小気味良い音と共にジュースの表面に気泡ができた。



「……ぬる…っ」


口の中には炭酸のシュワシュワ感と生温い液体。

今の私みたいだな…、

熱くも冷たくもない。


―――…中途半端。


目尻に溜まった涙が重力に逆らえずに床に落ちた。
ポタリポタリと止まらず落ちる涙に、声を出さないように歯を食いしばった。



「――…泣かせるしかできないのか、俺…」


頭に感じた心地好い重さと暖かい体温。
聞こえたのは掠れた切ない響き。



「りょ…た…っ」

「ごめんな…、静音は俺といない方が幸せになれるよな…。」


心臓が止まるかと思った。

頭のてっぺんからつま先まで冷たくて、どう涼太に返せば良いかなんてまったくわからなかった。


――…私は涼太の悩みの種にしかならないの?


――…一緒にいる事は涼太の重荷でしかないの?


ただ、一緒にいたいって思うのはイケナイ事なのかな…。



「シズがさ…ほかの奴といたほうが良いのはわかってたんだよな。

俺といたって良い事ないだろ?」


なに、それ…。

なんなの?



「何よそれ…っ、私はただ涼太と一緒にいたいだけだよ!それがいけない事なの!?

他の男なんていらない!私は…


涼太が良いんだよっ…」


涙が止まらない。

どうしてわからないかな…。


私は、ただ涼太と居たいんだよ。

涼太しかいらないんだよ…?