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「俺さ、明日から治療始めようと思ってんだ。」
叶うかもわからない未来計画を話していて、突然涼太がそう言い出した。
治療をするのを受け入れたのはわかっていたけど…
まさかこんなにすぐなんて思ってなかった私は何も言えずに涼太をただ見ているしかなかった。
「生きるためならさ…早く始めた方がいいだろ?」
何ともなさ気にそう言う涼太に私は胸が痛くなった。
お兄ちゃんを見て、どんな治療なのかとか…どれだけ辛いかとか……嫌になるくらいにわかっていたから…。
「涼太…」
「俺は大丈夫。
シズといるためならなんだってしてやるよ?」
辛い選択をするはずなのに、涼太は清々しい位の笑顔だ。
「……頑張ろうね。」
「おう。当たり前じゃん!」
やっぱり清々しい笑顔。
涼太はどうして笑えるの…?
誰よりも今辛いはずなのに、どうしてそんな風に笑えるの…?
――…駄目だね…。
やっぱり私は……弱いままだ。
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「それでは…治療の説明をさせてもらうからね。」
「はい。」
「涼太くん、君が明日から始めるのは抗がん剤を使った治療。
折を見て、放射線なんかも考えて行こう。」
始まるんだ。
涼太にとっても私やママ…それに先生にとっての闘い。
ここから先は何があるかわからない。
それでも…、
闘いの始まりなんだ…。