あれから話す事もなく着いた涼太の家は二週間前と変わらず。
台所も、居間も。
涼太の部屋も、ただ今は涼太がいないだけで何も変わらない。
ママは着替えもしないでお茶を煎れてる。
「シズ、お茶入ったよ。」
「あ、はーい。」
涼太の部屋から居間に移動する。
ママはテレビの前に座ってて、私はママの向かい側にテーブルを挟んで座った。
「………どうして涼太が病気だってわかったの?」
「んー……わからない。けどね、なんかおかしいって…ただそれだけなの…。」
ママはいつもみたいな元気がなくて、よく見たら目の下に隈が出来てる。
寝れなくなる位…悪い病気……?
背筋が冷たくなった。
「ママ……涼太…」
「うん。シズの言う通り……病気だって。」
言い含めたような言い方が気になった。
よくはない。むしろ……
「一昨日ね…病名だけはわかったのよ。
明日の結果はその病気の進行がどれだけ早いかを調べた結果…。」
「………な、んの…病気?」
苦しいくるしいクルシイ…。
涼太は?どうなるの…?
「……骨肉腫って言うんだって。わかる…?」
「う…嘘!」
骨肉腫…?
知らないはずないじゃん…。
だって……
「知ってるの…?」
「……う…ん……、よく知ってるよ…。どんな病気か…どれだけ苦しむか……っ」
知らないはずないんだよ、ママ。
だってね……?
「……死んだお兄ちゃんが骨肉腫だったから…。」
神様…。
あなたはほんとにいるんですか?
いるならどうして涼太をこんな目に合わせるんですか……?