よっし。気合い入った。
 アドレス帳から、クロネコの番号をコールする。

「もしもし……?」

 出た!

「もしもし? クロネコ? 俺。」

「オオカミくん…?」

 すげーキョトンとした声。

「うん。ちょっと出て来れねえ? 今、この間のバス停の所に居るんだけど……」

「え。今? えっと……」

 そりゃ、急に言われても困るよな…。

「あの、いや、待つし、5分で良いんだけど……」

「えっと、じゃあ、10分位、角のコンビニで待ってて貰っても良い?」

 やった!!

「わかった」

 思わず、小さくガッツポーズをしてしまった。



 外灯の下、白い息ごしに月を見上げる。
 このまま、クロネコが来るまで。熱くなる頬を、夜風に冷やしていようと思う。


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