『俺が好きなのは、クロネコだから』

 言い終わると同時に勢い良く立ち上がって、ダボダボのジーンズの膝をパンっと叩く。

『じゃあ……また、学校でな。暗いから気をつけて帰れよ。って、呼び出しといて言うセリフじゃねぇか』

 言いながら苦笑いしたオオカミくんは、また私の頭をクシャっと撫でて走り去ってしまった。
 アタシはそのまま、多分10分位、呆然と立ち尽くしていたと思う。



 ――取り敢えず、今日が土曜日で良かった。
 少なくとも今日と明日は、誰にも会わずにいられる。

 ……。
 はぁ。
 キラキラして、綺麗だな……。


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