あなたの大切なもの

…そう、あたしはいつも逃げてばかり。


毎日のように電話を掛けて来る純からも、

真剣に告白をしてくれた刹那の気持ちからも、

刹那のことが好きな綾女の気持ちからも、

そして、あんな行動をとるような良紀の想いからも…。


分かってる…。
逃げるのはダメだってことぐらい。
やけど、どうしても足が竦んで、立ち止まることが出来ない。