「…ぁ、そうだった。
碧唯にコレ渡しといて」


潤くんはアタシに
本を渡してきた。


「え!?自分で返さないの?」



「…僕ちょっと下行くから」


そう言って潤くんは
部屋を出て行ってしまった。




「う…ん~…
後で起きてきた時でいいよね?」



「おい!!藤田!!
碧唯そろそろ起こし行ってこい!!」

和羅くんと今だ言い合いをしていた
林田くんがいきなりアタシに言う。



「は、はい…」



仕方ない!!



奥の部屋のドアに手をかけた。




コンコン


「失礼しまぁーす」



この部屋の中は電気がついてなくて
夕方のオレンジ色の光が差していた。



「神崎くーん?」



2メートル離れた所から
声かけても聞こえないか…