「もう大丈夫だよ」


そう言ったのに佐藤さんは私が束縛していた時に言ったことを守っていた。


今から帰るよと電話を毎回してきたり、電話を繋いでいたり。



私の心は日を重ねる事に満たされていった。



偽りの自分ではなく、本当の私の心が。



佐藤さんとも休みを合わせてよく出かけるようになった。


一緒にパチンコに行ったり、買い物に行ったりご飯を作ったり、散歩したり。


ただ一緒に歩いていただけなのに幸せだと思えた。


でもその分不安もあった。

またこの幸せが逃げていくのではないかと。


けれど前とは違ってどこか気持ちは安定していた。


それは佐藤さんが頑張っていてくれたおかげだと思う。


２０歳の誕生日。


お店のみんなにもお祝いしてもらったけど、佐藤さんと二人だけでのお祝いもした。

私が欲しがっていた時計と１９本の白いバラと１本の青いバラをくれた。


来年も一緒にお祝いできてたらいいなと佐藤さんは言った。