あまり忙しそうには見えなかったが、30分も待たされ、漸く現れた店長は折れてしまいそうな程細い眼鏡をかけた男性だった。


「すみませんね遅くなってしまって」


異様に高い声に噴き出しそうになった。


「いえ、よろしくお願いします」


それから面接は、待たされた30分よりもはるか早くに終わった。


「まあ合格だったら7日以内に電話があるって事です。なかったら不合格です」


「はい」


「でも普通2、3日電話がなかったら電話してきますよね。やる気がある人は気になって電話してくるでしょ?ねぇ?」



「はあ。そうですね…」



私にはそれが、自分から電話をかけてこいと言っているように聞こえた。


だから3日後、私はその店に電話を入れた。