父と母は入学式に揃って姿を見せた。



私が通う高校は共学。


だけど共学なのは普通科だけ。
私の行く科は女子20人程の少ないクラスだった。


クラスメイトは如何にも真面目といった感じ。
眉毛が薄く、色が抜けて少し茶色くなった髪の私はなんだか場違い…そんな違和感があった。



―――友達なんて
できるのかな…―――




自分を冷ややかな目で見てくる同級生を見て、また中学校と同じ事が起こる事を恐れていた。

式が終わって教室に移動する時もひそひそ声さえ聞こえない。沈黙。



それに運が悪い事に私は1番前の席。


もう最悪だと思った。


担任は50歳くらいのおばちゃん先生。
黒ぶち眼鏡にひとつに纏めた黒光りする髪。

眼鏡から覗く目尻の上がった目がとても怖くて印象的だった。


初めてのホームルームが終わった後、早速担任に呼ばれた。


「髪、真っ黒にしてきなさい。あと眉毛、もう二度と剃らないで。毎日検査するから」



初日にして思っていたような高校生活は送れないだろうと悟った。