今さら、そんな顔をされても困るよ。 これは、私のせいでもあって、巧のせいでもあるんだから。 ごめんね。 「…離れよう。」 巧の瞳が今度は、大きく揺れた。 それでも。 私は、レオくんを突き放して旅館の方に逃げて行った。 ―――⋯大粒の涙を流して。 でも、別れたくないから。 一回だけ、離れよ…巧。