「へえ、その噂の彼氏って、高校生じゃねーの?働いてるんだ?」


そういえば、エイジにはまだ話してなかったんだな・・・
ビトがアイドルタレントやってるって。


「一応高校生だけど、タレントやりながら学校に行ってるから、忙しいんだ。」

そう言ってるモモが、少し淋しそうだった。




まあエイジが、アイドルなんて知ってるわけないもんな・・・

適当に話を流してくれるかと思ったら、意外にも色々聞いてくる。



「へえ、有名人なんだ・・・じゃあかっこいいの?」


「それに載ってるよ・・・」


モモが指差したのは、今月号のアイドル雑誌で、ビトがおなじグループのメンバーと表紙を飾っているやつだった。



「ああ、こいつかー!!知ってる。」


なんで知ってるのって聞いたら、今月号のストリート誌で、モデルやってのを見たって言われた。


「あれだろ?Babyの息子だろ??」


アイドルは興味なくても、ミュージシャンのことは詳しいんだな、やっぱり・・・



「なんでそんなやつと、幼馴染なわけ?」


親同士が友達だから、もの心つく前からずっと仲良かったんだよって話してあげた。




「ビトはさ、ずっとNYに住んでたんだけど、毎年夏になるとこっちに帰ってきてたんだよね。

Babyさんが母さんと仲いいから、そのたびにうちに遊びにきていて、毎年僕らとも遊んでたんだ。

それで、中学に入ってからは、日本に住むようになったんで、モモと付き合うようになったの。」



エイジは、「やっぱりんさんってただものじゃないっぽいな」って、
変なところに関心していた。