カオリさんはそのままソファーでうとうとしてガン寝しそうになっていたので、しょうがないからそのまま抱き上げてベットに寝かせてあげる。

彼女の寝顔を見ながら、そっと柔らかな髪を撫でた。
無造作に結わいた髪をそっと梳いてあげると、「レン・・・」僕の名前を寝言で呟いていた。

「ちゃんといるよ、ここに。」


カオリさんは優しすぎてとても情に篤い。
涙で濡れた頬をみると、僕はこの人を好きになってほんとによかったなって思う。

まだまだこんながきんちょな僕に、ちゃんと付き合ってくれて、ほんとにこのままでいいのかなってたまに思うけれど。



もう今日はこのまま起きないだろうな・・・

最近、毎週ここに来て一緒に過ごしていたから、色々疲れさせちゃったかもしれないなっていまさら反省をした。

あのエイジでさえ、モモと最近ずっとやってないって言ってたのにな・・・
あんまりあれなのも気になるけど、モモは大事にされてんだなって思う。

いや、僕がカオリさんを大事にしてないってわけじゃないんだけど・・・やっぱそういうのって我慢できないじゃないか。



彼女が一人暮らしで年上で、毎日でなくてもこうやって定期的に会える環境って、ホント幸せすぎるなあってつくづく思った。





彼女の部屋の中で、アキラのポスターを横目に気にしながら、なんとなく眠れなくてその辺においてある漫画を読んでみた。

カオリさんが好きな、かわいらしい少年が主人公のBL漫画。
男同士のあれなんか読んだって面白いわけないとか思ってみたものの、結構ストーリーはしっかりとしたラブストーリーで、男同士というところを除いては、モモがよく読んでる少女漫画と変らない。

ラブシーンだけは、ちょっと斜め読みしてしまったけれども、割と夢中になって読んでしまった。


”永遠の愛なんてありっこないけれども、それでも初恋から死ぬまで一緒にいるカップルだっているはずだから・・・”

そんなフレーズを読んで、僕達もそうだったらいいなと思う。

どんどん変ってゆくときの中で、僕達は変わりながらも一緒に居れたらいいなと思うんだ。



そんなことを思いながら、いつの間にか僕もカオリさんのベットの脇で寝落ちしてしまい、今夜は何をすることもなく過ぎていったのだった・・・