そんなことを言ってるうちに、モモはスイカを持ってレンの部屋にきた。

「母さんに、もってけって言われた・・・」

なんだかちょっと照れくさそうにそういう。



「ありがと。」

レンはニコニコしながら、スイカをがっついて食べ始めたので、俺もつられてひとつ食べた。



ほんのりと甘く、よく冷えたそのスイカは、暑いこの部屋に心地よかった。
そういえば、冷房入ってないじゃんこの部屋。

窓の近くに、小さな扇風機が回っているだけだ。

まあそんなのも、風情があって良いっちゃ良いが、この熱帯夜にはちょっときついよな。




「なんかごめんね、いつも騒がしくって。」

モモが気を利かせたのか、窓を閉めてクーラーのスイッチを入れると、レンが何故か「勝手につけるなよ!」なんて言って怒る。


「だって暑いじゃん!」


ねえって顔をして、俺に同意を求めるので、「確かに暑いな」って言ったら、ほらって顔をされた。







それから三人で何てことない話をした後、かなり遅い時間になってきたので帰ることにした。


母さんは終電までいるとかごねたけど、「締め切り近いんじゃね?」って言ってやったら、素直に俺と一緒に帰り支度を始めてくれた。




なんだか、長い一日だったな・・・