「YOUはさ、デビューできて当然と思ってるかもしれないけど、それはちゃんとファンの子達のおかげでもあるんだからね。

今までみたいに、適当に遊んで、ファンの子達を心配させるんじゃないよ?

当たり前だけど、タバコも酒も絶対やらないこと。
ちょっとはビトを見習いなさい。」


アキラは、正座して恐縮しながら聞いていたけれども、ビトの名前が出たとたんチッと舌打ちをした。


「何でまたあいつと組まなきゃなんないんっすか?
俺たちかなり相性悪いと思いますよ。
仲良くやっていける自信ないっす。」


コンサートの時も、嫌々一緒に歌ってたなんて、そんな風に言うから、そんなもんなのかな?なんて他人事のように僕は聞いていた。

あのDVDを見たときは、ちゃんと声もはもってダンスもかっこよかったし、二人ともキラキラしてるように見えたのに・・・



「YOU達ががんばってこれたのは、お互い異常にライバル視してたからでしょ?
負けたく無いって気持ちがあったほうが、これからもちゃんとやっていけると思うよ。
それに、そういうことでもないと、ビトはやる気起さないからね・・・
あの子は結構弱いから。アキラと違って。」



もう第一線から離れて会長職をしている人とは思えないほど、ちゃんと事務所のタレントの事を見てるんだなって感心しながら、僕は黙って二人の話を聞いていた。

やっぱおじいちゃんは凄い!?
いつもお父さんとかが言ってるだけあるな。



「あと、今は彼女とかいないよね?
これからは暫く彼女は作っちゃダメだから。スキャンダルは絶対NG!?
仕事と学業に専念しなさい。」


今までとは違うんだからって、おじいちゃんは釘をさすように何度もそう言った。



僕はそれを聞いて、嫌な予感がした・・・


ってことはビトにも同じことを言うのかな?




だから僕をよんだってわけ??