鏡村【短編】

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小さな何かに乗り上げたのか、ガタンという音と揺れで私は目を覚ました。


そこまで大きくはないレンタカー。


そんな動く箱の、助手席という小さなスペースで私は大きな伸びをした。


腕を頭上に挙げストレッチした私が健人の視界に映り、目を覚ましたのだと認識すると彼は静かに口を開いた。


「おはよ、さっき高速抜けたよ」


そう、と寝ぼけた声で返事をする。


なんだか長い夢を見ていた気がする。


私は左腕に痛みを感じた。


何かで切れたのか傷があった。


どこで……


「肝試しするなんて言わないでよー」


亜美が智治に愚痴る。


なんだろう。


今の……


違う、目を覚ました瞬間からまた同じ事を繰り返してるような感覚。


「確かこの近くに有名な霊が出るっていう廃墟あるらしいから、智治だけ置いてってあげてもいいぞ」


「健人まで女二人の意地悪伝染ったのか?」



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