勝手に俺の後をついてきた月は、遥斗をさらに綺麗にする。


サラサラな髪が金色の色に染まる。

それと…綺麗な瞳も。


美しい、と思うぐらいに、遥斗を美しくしていく。



『遥斗…』



俺が遥斗の名を呼ぶと、遥斗はゆっくりと視線を下ろし、顔色ひとつ変えずに俺の方を向く。


笑う、とか、
怒る、とか、


そんな表情をひとつも出さずに、ただ俺のことを見つめる。



『…どうした?』


遥斗はうっすらと口を開きこう言った。



俺は手を冷えた手をぎゅっと握り、一歩施設に近付いた。



謝りたかった、
お前に謝りたかった─…



『さっきは…悪かった…』


俺は視線を足元に落とし、遥斗に謝った。



『別に…俺も悪かったし…』



『お前に言われて気付いた。でも今すぐ直せって言われてもできないと思う…』


『…少しずつでいいんじゃねぇの?』