恋愛一色

辺りがくらく、その人の顔がよく分からない。


ただ分かることは月明かりが、その人の優しい笑顔を照らしているということ。

だだ…それだけだった。



俺は流れていた涙を必死に拭き取り、再びその人を見た。



『泣いてたんだ?』



『いや…』



この時に出会った人が…


光輝さんだった。



俺は最初、光輝さんのことを怪しい人だと思っていた。


これは、俺だけの秘密。



光輝さんは俺の隣に座り、また優しい笑顔を見せた。


そのたびかっこいいと思ってしまう。



二重の綺麗な目に、パーマがかかった髪の毛。
前髪がストレートになっていて、そこから覗く瞳を見つめると、胸が弾んでしまう。



…かっこいい。




『俺も悲しいことあってさ…』



『え?』



『…君と俺は同じ人間かもね?』