恋愛一色

空を見上げると、そこには雀がたくさんいた。



『遥斗…?』



遥斗は目を輝かせながら、その雀たちを見ていた。



『響はさ、なりたいものとかあるか?』



俺はしばらく考えた。


なりたいもの?

消防士?警察官?


たくさん思い浮かぶのに、なりたいものなどはなかった。



『…う~ん…遥斗は?』



俺は遥斗が俺にした質問を遥斗に返した。



遥斗は一番先頭に飛んでいた雀を指さした。



『俺は、鳥になりたい!!』


先ほどより目を輝かせて、遥斗はこう言った。



俺はそんな真剣に自分のなりたいものを指さす遥斗がすごくかっこいいと思ったんだ。



『…じゃあ僕も遥斗と一緒に飛んでやるよ!』



『絶対な!約束だからな!』



『約束な!』



俺達は、それから飽きるまでブランコ競争をしていた─…



一番高いところに来ると、空に近付く気がしたんだ─…