恋愛一色

…こいつも千尋と同じだ。

もし今俺が好きだと言えばさなも千尋と同じように尻尾を振って喜ぶだろう。


きっとそうだ。


女なんて全て同じだ。



好きだと言ったら頬を赤く染め、付き合ってくれと言ったら必ず頷く。



女なんて全て同じだと思っていた…でも…あの人だけは違った──…




『響?どうしたの?』



気が付いたときにはさなが注文したメロンソーダが来ていた。



一体いつまで考え事をしていたと言うのだろう。


俺はなんでもない、と言ってその場を切り抜けた。



それから俺達は店が閉店するまでずっと話していた。


店を出たときはもうすでに次の日になっていた。


千尋とバイバイした時より更に空の暗さが増していた。



『なぁ…さなは彼氏とどうなった?』




俺達は目的もないまま、ぶらぶらと歩いていた。