恋愛一色

俺は一人でさなが来るのを待っていた。


あの時と同じファミレスで。


注文した紅茶がもう湯気が立っていない。


さなと電話してから1時間以上経つ。


短気な俺は頬杖をつき、入り口の方を見ていた。


右足を揺らしながら…



すると店に勢いよく入ってくる女性が目にはいる。


その女性は髪が少し乱れていて、手に持っているのは財布と携帯だけ。


俺を見付けると笑顔になって駆け寄ってくる。



俺も笑顔になり手を振った。



『響!ごめんね?時間かかっちゃって…』



さなは俺の前の椅子に座り、乱れた髪を整えていた。


『全然いいよ。ごめんな?いきなりあんなこと言って…』



俺はメニューをさなに差し出した。


さなはメニューを受けとり、何を頼むか考えていた。


俺はその間考え事をしていた。