恋愛一色

俺は千尋の家まで送っていくことにした。


こんな夜遅く、女の子を一人で帰すわけにはいかない。


俺は歩幅を小さくして千尋のペースに合わせる。



『今日楽しかったね!また行きたいね!』



千尋は今日の感想を楽しそうに話していた。


満悦してくれたようだ。



『そうだな、また遊びたいね』



俺は嘘を重ねていく。

それと同時に罪も重ねていく。



そして千尋の家へと着いてしまった。


俺はバイバイと言い、帰ろうとしたとき。




…俺は計算していたんだ。

こうなるって…初めから。


千尋は勢いよく走って来て、俺に抱きついた。



『ちっ千尋?!』



これも演技だ。




『私…私ね?響が…響が好き…』



やっぱりな、こうなると思っていた。



俺は千尋を強く抱きしめ耳元でこう言った。



…偽りの笑顔と…
…偽りの気持ち…





『俺も千尋が好き』






…ゲーム…クリア…