恋愛一色

俺はわざとこう言った。

千尋が好きだ、と言っているかのように俺は強い眼差して千尋を見つめた。



案の定、千尋はそんな俺に騙されたようだ。


千尋は顔を真っ赤に染めてココアを飲んでいた。



『響は…モテるからすぐに彼女出来るよ…』



『好きな子が彼女になってくれなきゃ意味ないよ?』


千尋はまた固まる。

俺の中の自分が、怪しく笑っていた。



勝利は確証したと同じだ。


─…空が黒くなっていく。もうすぐで夜になりそうだった。


俺達は店を出て、街をぶらぶらと歩いていた。


もうすぐクリスマスなのか、街の木はイルミネーションになっていた。


キラキラと輝いている。


赤、黄色、青。


さまざまな色が街を染めていく。




『綺麗…』



千尋はイルミネーションを見上げて白い息を吐きながら呟いた。