『いらっしゃいませ』



光輝さんと他のスタッフの人が俺を迎入れる。


『…予約…してないんですけど…』



俺は小さな声で光輝さんに言った。
すると光輝さんが俺に気がついたのか、驚いた顔をしていた。




『…響君?』



『久しぶりです、光輝さん』



光輝さんは俺に気づいたのか、笑顔を向けてくれた。



『久しぶりだね!なかなか来てくれないから忘れたのかと思ったよ。今予約ないから入って?』



俺は照れ笑いをし、光輝さんに誘導された大きな椅子に座った。



美容院にお客さんがたくさんいるのに、本当にいいのかな?と疑問に思うが光輝さんが言うのだからいいのだろう。



大きな鏡に写った俺は、かなり顔が浮腫んでいた。
きっとさっき泣いたからだ。



ちらっと光輝さんを見ると、かなりかっこよくなった気がする。



髪型とファッションがよく似合っていた。