恋愛一色

湿気が混ざった空気はあまり好きじゃない。

周りの木々が風に吹かれて、ガサガサという音を出す。



俺はじっと遥斗を見つめて確認を求めた。


『あぁ、あいつだ…』



俺の思っていた通りだ。あいつは…俺が昨日みたヤツ。
菊地唯の幼なじみ…


遥斗はそいつを睨んで何も話さないで立っているだけ。



本当は一番動揺していたのは遥斗なのに、遥斗は冷静な表情を見せていた。


遥斗は俺に『…悪いな、先に帰ってくれ』と伝えて、幼なじみとどこかへ歩いて行った。



残された俺は、ぽかんと口を開けて、暫く停止したままだった。



『大丈夫かよ、遥斗…』


遥斗…大丈夫かよ。
心配だ…すごく。



俺は仕方なく、家に帰ることにした。


家に帰ると、家の中は誰もいなかった。


階段を上り、部屋を目指す。


部屋に入り、ネクタイを緩めながら、ベッドに座った。