「待って…お母さん…あのねっ」
「言い訳はいらないの」

心が必死に説明しようとするが、お母さんは聞く耳をもたない。


「…分かった。出ていくよ。」

俺はあっさりと承諾した。

「音っ…でも…」
「大丈夫だから。」

心は涙を流して俺に訴える。

もう、駄目なんだよ。


二度目はないって、お父さんも言ってただろ。

今、俺達に味方してくれる人は誰もいない。


「音…」

心も理解したのか、大人しくキャリーバックに洋服を入れていく。


「っ…」

予想外の展開に、お母さんはついていけず。

部屋から出ていった。


出ていけ、と言われれば出ていく。

この関係をやめられるわけないんだ。


俺も旅行カバンに必要な物を入れていく。


そして。

ゆっくりと2人で家を出た。