「あなた…」 お母さんは一瞬お父さんを見たが、すぐ俺に向き直って言った。 「音、心。あなた達は許されない事をしたのよ?」 「お母さん…俺…」 「おい。俺を無視か?」 俺が話そうとすると、お父さんはネクタイを緩めながら言った。 「…お父さんにも聞いて欲しい」 俺はそう言って、椅子に座り直した。 お父さんも食卓の椅子に座る。 いつもなら。 家族団欒で楽しい話の筈。 でも。 今日は違う空気が流れていた。