戸が開く。 1時間目なんだっけ。 英語か。 あの口うるさいおっさん教師の授業なんて‥‥ 私は目を閉じる。 後ろの窓際の席。 これで嫌な英語を 聞かずにすむ‥‥‥ 教室がざわつく。 いつもと違う周りの反応に 疑問を抱き、目を開ける。 黒板には縦書きで 「相模 桂梧」 の文字。 おっさん教師の代わりに 立っていた人物。 え? 目を疑う。 しかし私は視力だけはいいはず。 そう。そこに立っていたのは 紛れもなく、 あの灰色のスーツの男‥‥