君しかいらない




「早く来いよ。

信号赤になるぞ」


点滅する信号

「だって足が痛くて…」


やっと

これからは一緒に…いられるかもしれない。

焦る心が痛む足をひきずる。

「…莉子っっっ!!

危ないっっっ!!」

「えっ?」


キキィーーーッ!!!




最後に聞いたのは

知也の叫び声と

大きなクラクションとブレーキを踏む音。




弾けるようなまばゆい車のライトが

私の影を照らしていた。