君しかいらない


「…一度しか言わないからよく聞けよ?

あの家で、俺とお前と真理子とゼロからスタートするんだ。」


「プロポーズ…みたい」


「ある意味、真理子を妊娠した時にフられたリベンジかもな。」


「ほんとに…?」

「ああ。」


知也の手が私の手に重なり

温もりが伝わる。


「知也の温度ってこんなに優しかったっけ?」

「…さあ?

優しくしてやってたつもりも無いけどな」