君しかいらない



「…一人で?」

そう聞いた私はどんな表情をしていただろう。


「そ、一人で。

…淋しい人生だろ?」


それは私のせい…なのかな?


「淋しさついでにローンも組んで家まで買っちまったし」


「一人…なのに?」


「いつか俺に大切な家族ができた時のためにな」

ニカッと笑った知也が幼い少年のようで

胸がドキドキした。