君しかいらない

訪れる沈黙を打ち消すように

さっきとは打って変わって明るい口調の知也が話題を切り出した。


「俺がこの数年、何処で何してたかも知りたくもない?」


「ちょっとは…。」


だけど知るのもこわい。


知也からあの人の話しを切り出したって事は…


私の事ふっきれたからだろう。


「莉子と会わなくなってこの数年

特別なにかをしてたっつわけじゃないよ。

ただ同じ毎日を繰り返し過ごしてた」