君しかいらない



「別に…責めてるんじゃないよ?

軽蔑してるわけでもない。

ただ…本当の事を知りたかったの…

もしも…真理子のお父さんがおじさんだったら良かったのにって…

幼い頃から思ってた。」

「…どうして?」

「あの日…

真理子が生まれておじさんが来た日の事、覚えてる?」

「うん…」



懐かしむように伏し目がちになった真琴を見て


私もぼんやりとあの日の晴れた空を思い出していた。