君しかいらない

真琴の気迫に少し圧倒されながらゆっきり頷いた私に

すると真琴は何のためらいもなく私を驚かせる発言をした。


「これは私の勘だけど…

真理子のお父さんは知也おじさんなんじゃない?」


あまりにも突拍子もなく図星をついた言葉に一瞬、言葉を失う。

「えっ…?なんのこと…?」


動揺した私は口をつぐんで真琴から視線を逸らした。


そして、私の態度を見て自分の気持ちを確信したのか

小さな声で囁いた。

「やっぱりそうなんだね…?」


真っ直ぐな真琴の眼差しに否定も肯定もできずにいる私を

真琴は優しく包み込むように話した。