君しかいらない




その後、私はお父さんの日記に書いてあったすべてを真琴に話した。


懐かしむように

切なそうな表情をしていた真琴が悲しげに微笑むと


珈琲と一緒に涙を飲み込んだようにも見えた。


「何となく分かってた。

嫁ぎに行ってどんな不幸な未来が待ってるんだろうと覚悟を決めて行ったのに…

お義父さん…飯島さんはとても良い人で

まるで本当のお父さんのように優しく厳しくしてくれた。」